開智学院の理念についてお話しさせてください。
前回アナウンスさせていただきましたが、12月下旬から速読講座、3月からプログラミングとキャリア教育を始めることにいたしました。
今回の導入は開智学院の理念に基づいて行います。
開智学院の構想は2009年にスタートし、2015年に創業いたしましたが、理念についてはあまり表には出さずに来ました。まだ何も形になっていない段階でもあり、また創業してからもまだまだ小さな塾として提供できるものが限られていた中で、公言するのがはばかれていました。
しかし2021年になり、2020年からのコロナ禍の中でも多くの人に支えられ、塾生の人数も減ることもなく、こうして今日を迎えられたことで、開智学院の理想、使命として掲げたものを実現していく時期でもあるのではないかと思いました。
非常に大それたことを掲げてはいますが、少しの間お付き合いいただければと思います。
開智学院の理念:当塾は、生徒・講師を含め、社会に役立つ人物を育てることを目的とした人財教育機関として存在する
塾生の学業面と精神面の両方を鍛えていくことを目標とする。
学業:勉強する意味を理解し、将来、社会人として活躍するための基礎学力の充実、応用学力の形成を行う。目標管理を徹底することで、自立型人間となり、自らの夢を叶える実力を養う。
精神:有能感、統制感、受容感をもてるようにする。
有能感とは、自分はできる、自分は能力があると感じることであり、統制感とは、できそうだという感覚、目標に対する現在の位置を把握し、目標の実現が見えることである。受容感とは、自分の居場所が認められていて、自分がなくてはならない存在であると感じられることである。これらはやる気につながり、自学力の基礎となるものである。
学力と心の成長を通して、多面的な見方、他者への理解、深い洞察力を身につけ、社会へ貢献できる人財を育てることを目指す。
開智学院は勉強ができるようになるだけではなく、自ら考え、努力していく子どもたちを創りたいと願っています。これまで生徒のやる気を育て、自主的に勉強するように指導してきましたが、2018年からこれまで、一定の成果を上げることができたように思えます。(自主的に勉強する=自学力は特に中学3年生で開花しています)
しかし近年、自主的に勉強をするようにはなっても、勉強の中身、時間当たりの密度が低いことが目立つようになってきました。その要因として、集中力の低下などが考えられますが、読解力の不足も一因と思われます。つまり、問題文を正確に読み解くことができない、解説書を読んで理解するのに時間がかかってしまう、といったようなことが起こり、1時間当たりに進められる勉強量が少なくなっていると感じます。
このような状況から、読解力の向上が必須と考えるようになりました。
また、最近よく取り上げられていますが、2011年に小学校に入学した子どもたちの65%が、大学卒業後に今は存在しない職業に就くだろうと言われています。
これは、いまある多くの仕事はAIやロボットに取って代わられる時代になるということです。
そのような時代に対応できるようになるには、AIやロボットでは代わりが利かない人材、つまり、豊かな思考力と想像力で新しいものを生み出す人間になる必要があるのではないかと思いました。
またSDGsという目標も掲げられ、「持続可能な社会の創り手の育成」を目指し、将来の問題を現在の大人たちが考えるだけでなく、子どもたちにも考えてもらう必要が出てきました。
実際小学校からこの話題に触れられており、高校受験や大学入試でも必ず出題されるようになっています。
これらのことから、今後期待される人材とは思考力や想像力を十分に持った人であると言えると思います。
しかし、現在の学校現場ではまだ十分に思考力などを養成する機会がなく、塾サイドとしても入試問題のパターン化を基に対策を練るという従来の型からなかなか抜け出せておりません。
それでも入試問題では記述が増え、意見を問われることが多くなり、その対応をしていかなければなりません。
ここでもともと行いたいと考えていた多面的な見方、他者への理解、深い洞察力の養成が、思考力を鍛え、想像力を豊かにし、読解力を上げることと結びつきました。
社会の変化とSDGsが求めているものと、開智学院の理念が一致したのです。
そこでそれらの力を身に着けるために最適な方法として、速読教室(読解力・思考力強化)とキャリア教育(思考力・想像力強化)、そして想像したものの表現力としてのプログラミング教室を開講することとしました。
今回取り入れることになりましたこれらの講座は開智学院の理念を体現するとともに、今後の入試対策だけではなく、子どもたちの将来に役立つものと信じてやみません。
また、中学高校部は開智学院として、小学部は新たに『こども未来教室「かいち」』として生まれ変わります。詳細は追ってご報告させてください。