**札幌開智通信ブログ**
言葉が辛辣なので紹介するのをためらったが、みんなの参考になりそうなので、長文だけど紹介しておきます。
本当に上達する英語学習の方法を今一度まとめていこうと思う。
といっても結論は簡単だ
受験英語をやれ
これに尽きる。
【日本の受験英語は駄目、という神話】
「受験英語」と言うと条件反射的に「え~」という顔をする人が多い。
「日本の受験英語って全然ダメなんでしょ?だって、6年間も勉強してるのにみんな英語ペラペラになってないじゃん…」
などと、どっかで吹きこまれたらしいことを言ってくる人もいる。
どうも日本には「受験英語は役に立たない」という(恐らく英会話教室あたりが捏造した)神話があるようだ。
そんなことはない。日本の中学高校の英語教育は極めて優れている。
中高でやる内容をしっかり修得していれば、少なくともリーディングで困ることはなくなるし、TOEICにもTOEFLにも対応できるようになる。少し英会話の練習さえすれば留学だって海外就職だってできるようになる。これは多くの生徒を送り出してきた実感として間違いない。
確かに20年ほど前の受験英語には少々問題があった。
文法知識を偏重した結果、「20世紀初頭の格調高いイギリス英語の和訳」のような問題がガンガン出題されたり、重箱の隅をつつくような瑣末な知識問題が出題されまくっていた時代もあった。
しかしそれは20年前の話である。
一部の大学(京大とか早大とか…)を除いて、もう普通の大学ではそういう変態的な英語の問題は出していない。
平易で量があるアメリカ英語の長文読解、つまりTOEIC的な試験問題を出題するような傾向になっている。
大学側だってTOEICで高スコアを出して有名企業にガンガン就職するような学生を欲しがっているのである。出題傾向が変わるのは自明の理だ。
今の大学受験英語を学べば、TOEICにもTOEFLにも留学にも海外就職にも対応できる。それは自身を持って断言する。
「でも僕は6年間も勉強したけど英語喋れないぞ?これは学校のカリキュラムがおかしいのでは?」
なんてことを言う人は、自分が中学高校で習った数学や理科や国語や社会の内容をしっかり覚えているのかどうか、今一度胸に手を当てて考えなおして欲しい。
もしあなたが「微分積分の公式も古文漢文の読み方も各都道府県の県庁所在地もタンパク質の分子式も全部スラスラ思い出せるのに、英語だけは全く話せない!」というならそれは確かに学校の英語教育に問題があるだろう。
しかしあなたは数学の公式も漢文も古文も全て綺麗さっぱり忘れているはずだ。であるならば、英語ができないのは学校のせいではなくあなたのせいである。学校に責任転嫁してはならない。
というわけで、「受験英語は役に立たない」は神話である。実際はものすごく役に立つ。ぜひそれを覚えておいて欲しい。
【目新しい英語学習ツールは基本的にクソである】
「受験英語が悪くないことはわかったよ。でも今はもっと効率的な学習方法があるんじゃない?スピー○ラーニングとかロゼッタ○トーンとか…」
よく言われる台詞その2である。
もう、本当にその悲しいことなんですけど、はっきり言っておく。
目新しい英語学習ツールは基本的にクソである。
僕も新しいもの好きなので、英語系のアプリとか結構こまめにダウンロードして試してみたりする。ロゼッタ○トーンもスピー○ラーニングも友人の使っているものを貸してもらい試してみた。しかし現状では「紙のテキストに優る効率のものは1つも存在しない」というのが結論だ。
なぜこういった目新しい英語学習ツールはクソなのか。答えは簡単だ。
こういった目新しい学習ツールは、そもそもユーザーの効率的な学習を目標としていないからだ。
ロゼッタストーンにしても、スピードラーニングにしても、こういった商材は基本的に
・20代~30代の社会人で
・英語にはあまり自信がない
人たちをターゲットにしている。
つまり「大人なのでそれなりにプライドは高いが学力は全くない」
といった系統の人たちだ。
そういった人たちは、効率的な学習の前に「英語を勉強してるカッコいい俺」というユーザーエクスペリエンスを求める傾向にある。
中学生向けのテキストで勉強するなど言語道断(だってカッコ悪いから)
過去形が~とか助動詞が~とかテキストに書かれているのも言語道断(自分のレベルが低いことがバレるから)
よって、オールイングリッシュで日本語の解説が一切ついていないロゼッタストーンや、英語がお経のようにただ延々と繰り返されるだけのスピードラーニングに手を出してしまうわけである。
当たり前だが、それで学力が上がるはずがない。
つい先日報じられたが、日本の高校3年生の平均的な英語力は中学3年制レベルであるといわれている。
直前まで毎週何時間も英語の授業を受けていてこれだ。すると高校を卒業して何年も無勉強で過ごしている社会人たちの英語力は、基本的に中1~中2レベルが平均であると推測できる。
中1~中2レベルの英語力とは、有り体に言うと
「基礎的な英単語は多少覚えているが、文法に関してはほぼ全く何もわかっていない」
ような状態を指す。
野球で言ったらやっとキャッチボールができるようになった状態
プログラミングで言ったらようやくハローワールドに成功したくらいの状態だ
つまり何よりも先にまず基礎的な英語のルール(文法)を頭に詰め込むことが急務の状態であって、オールイングリッシュの教材だのネイティブ講師とのフリーカンバセーションなんぞに手を出すなどリアルに2年は早いという状態である。
しかしそんな人たちほど受験英語を軽視し、意味わからん何の効果もない英語教材や、白人バックパッカーがスーツでおしゃべりしてくれるだけの英会話教室に大金を落としてしまう。
本当に、もったいない。
はっきり言って、TOEIC600点程度のレベルまでは、受験英語をやるだけで簡単に、お金をかけずに、最短ルートで到達できる。もしあなたがTOEIC600点程度(辞書を引き引き英語のwikipediaを読める程度の英語力)を持っていないなら、悪いことはいわない。
目新しい英語教材に手をだすのはやめておけ。
心の底からの忠告だ。
【だからとにかく、受験英語をやれ!】
じゃあどうすりゃいいんや、ワシらはどうやったら英語ができるようになるんや、とお嘆きの諸君、いよいよ実践編である。といっても答えは簡単だ。受験英語をやれ。
まず英語力が中1~中2レベルの平均的な社会人諸君、みなさんは高校受験のテキストから始めよう。
おすすめは学研から出ているニューコース問題集のシリーズだ。
(中略)
英語学習において、見栄を張る人は絶対に上達しない。
中学のテキストからコツコツやれる奴だけが上達する。それを覚えておいて欲しい。
あ、書き忘れたがこれらの文法系問題集と平行して英単語帳もやること。
おすすめはFORMULA1400などのシンプルで音声CDつきの英単語帳だ。
単語帳も当然高校受験用のものからはじめよう。
「語源で覚える」「文脈で覚える」「会話表現で覚える」など色々なタイプの単語帳も出ているが、僕が長年に渡り生徒を観察した結果「学力のない人はシンプルな単語帳を使うのが一番リタイアしにくい」という結論に達した。 他の方法論が間違っているわけではないと思うが、初学者の自覚があるならシンプルな本を選ぼう。
(ちなみに開智学院では『例文で覚える中学英単語・熟語1800』をおすすめしています。)
ニューコースが終わったら東進ブックスから出ているレベル別問題集シリーズに進もう。
これは「英文法」シリーズと「英語長文読解」シリーズのふたつがある。どちらもやろう。
これらの本をレベル1からレベル3くらいまでしっかりこなせば、センター試験レベルの英語にはもうそれほど苦労しなくなっているはずだ。
「センター試験レベルの英語に苦労しない」とはどのくらいの英語力かと言うと、辞書を引き引き英語のwikipediaを読めて、英語のビジネスレターをひいひい言いながら書けるレベルだ。つまり「基礎が完成した」レベルと言える。TOEICも少し対策すれば600点程度取れるようになる。
そこから先は個々人の目標に向かえばいい。
TOEICをめざすならTOEIC対策のテキストを
留学ならTOEFL
英会話ならスカイプ英会話などで練習を積む
大事なことなので言っておくが、この「基礎が完成した」レベルに到達すると、次にどんな勉強をすればいいかが自分で判断できるようになる。
つまりここまでやってきた学習が「英語はどうやれば上達するのか」の知識をあなたに授けてくれるのだ。もう詐欺教材に引っかかることはない。安価で効率的な学習方法を自ずと選べるようになっていく。
なので、まず初心者の人はこの「基礎が完成したレベル」を目指そう。発音やら会話表現やら何やらはその後でいい。まずはグラマー(文法)とリーディング(読解)で基礎を完成させること。それが絶対的な上達の早道だ。
以上、著者なりの方法論を紹介させてもらった。
職業柄、社会人の友人から英語学習の相談を受けることがよくあるのだが、彼らは揃って
「英字新聞とか読んだほうがいいのかな?」
「BCCのニュースとか聞いてリスニングしようと思ってるんだけど…」
などとすぐカッコいい勉強法に飛びつく傾向がある。
それなのに、学力チェックとして過去のセンター試験を解かせてみると半分も取れない人がほとんどだ。センターの英文も読めないのに英字新聞が読めるわけがない。
本気で上達したいなら、見栄を捨てよう。
受験用テキストは確かにかっこ悪い。「俺って中学生レベルなのかよ…」と自尊心が傷つくのもわかる。
しかし、それがあなたのレベルなのだ。自分のレベルからはじめなければ、どんな学習も効果はない。
見栄を捨てよう。そして着実な、本物の勉強を始めよう。 そうすれば、ゴールは意外と、近い。
人類応援ブログさんより引用ここまで
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