**札幌開智通信ブログ**
「なぜ勉強するのか?」
この質問、何度受けたことか。
この質問に対しての答え方はいくつかあって、今回は中学生には受け入れられないであろう答えを書こうと思う(笑)
というのは、いまから話すのは実利(直接目に見える形で得られる利益)を受け取れないからだ。
だけれども、本当に大切なので読んで考えてみてほしい。
中学生にもなると政治に対しての一定の考えや意見を持つようになる。
主に批判的な意見が多いけれど、意見を持つことはよいことだと思う。
みんなの話を聞いていると、今の政治を変えたいと思っても、自分が政治家になるわけでもないし、最終的に私にはどうすることもできない、もしくは関係ないとなってしまいがちだ。
なぜ政治の話を持ち出したかというと、世の中を変えるのは政治家ではなく、一般の国民だということを知ってほしいからだ。
政治家というのは国民から選ばれる。
これは6年生で習うし、よくわかっていると思う。
しかし政治家だけが勉強すれば世の中がよくなるかというと、実はそうはならない。
そうはならない根拠は、歴史を勉強してもらうといくらでもその失敗例が出てくる。
国民の知的レベルが低いと、政治はその国民のレベルまで引き下げられる。
逆に国民のレベルが高いと、政治のレベルは引き上げられる。
政治は政治家の素質によるのではなく、国民の知的レベルに応じて優秀な政治家が選ばれる。
極端な話、自分のことしか考えていない政治家がいたとして、選挙でよいことを言っていると国民が騙(だま)されれば当選する。
そして国民にとってよくない政治が行われる。
しかし国民がその嘘を見抜ければ、本当に世の中のことを考えている政治家が選ばれることになる。
だから、まずはよい政治家を選べるように自分たちの知性や判断力を鍛えないとよい未来が生まれない。
だからこれは一部の人が勉強すれば済む話ではなくて、国民全員が勉強をしていかなければ結局自分たちが苦しむことになるんだ。
では、その勉強に社会はなんとなく必要そうだけれど、数学や理科はいるのかという話になるかもしれない。
でもこれはもちろん必要だ。
ただ数学を直接使うという話ではない。
数学は論理的な思考・考え方をするための土台になる。
これが弱いとイメージに流されてしまう。
つまり、やっぱり騙されるということだ。
判断力を鍛える必要があるが、その鍛える筋トレに当たるのが数学ってわけだ。
直接関係なさそうに見えるけれど、部活の基礎トレーニングを思い出してもらえれば、理解しやすいかなと思う。
私一人がサボっても大丈夫だろうと思ってしまうかもしれないけれど、政治や国というものもある意味チームで動いているものなので、一人がサボってしまうとみんながそっちに引っ張られて全体は弱くなってしまう。
(ちなみに国民がサボり始めたことで崩壊した大国家がある。中3であれば知っているよね?そう、ソ連だ。)
勉強しないということは、これは全体に迷惑をかけてしまうことにもなりかねない。
自分のためだけの勉強ではなく、自分たちみんなの世界や生活、未来にかかわる大事なことだと理解してほしい。