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開智通信ブログ

英語教育と日本人の未来

2019-11-14
中国経済の後退にもかかわらず、前年の10%増で中国人が日本に来ている。中国人観光客の目当ては日本の物価の安さだ。いまや日本人から見て中国の物価は安いという時代は過ぎ去り、中国人にとって日本での買い物は安いと感じられている。
ここ20年間の日本の名目GDPは日本は変わらないにもかかわらず、アメリカで2.3倍、中国では10.4倍にもなっている。
 
日本は長らくデフレが続き、国内の物価は20年間変わっていないが、それは国内に限定された商品の話であって、グローバルで販売されているものにおいては価格が上昇している。例えば車は、2003年発売のアクセラ1.5Lの新車価格は153万から2019年には222万円になっている。1.45倍だ。
スマホの価格も自分が買った2010年のiPhone4で5万円、2019年のiPhoneXsで13万円と約10年で2.6倍になっている。
ただ、アメリカの物価が2.3倍なので車の価格は逆に安くなっており、スマホは若干上がった感じであり、ものすごく高くなった感じがするのは日本だけである。
 
今後もこの状態が続くとなると、海外では給料が高く、日本では給料が低いということが続き、日本にいてはお金が稼ぐのが難しくなることを意味している。
世界的に物価が上昇している中で、生活に苦労をしないためには海外で働くことを視野に入れなければならない時代がくる。
そのためには英語と専門分野の知識を身に着けておく必要がある。しかし現在の学校教育をみると、確かに英語の時間は増えるし、義務教育の中で要求されているレベルも上げていこうとしていることはわかるが、時間数と身に着けるべき技能の議論はされていても、根本的に英語の教育方法についてどう改善するかはあまり検討されていない気がする。
 
現状の学校現場での英語教育のまま時間数を増やしても果たして子供たちの英語のレベルが世界で通用するレベルになるのだろうか。英語の学び方そのものを変えていく必要があると思う。
 
「安い国」になった日本の現実は、日本人にとって幸せなことか

米中貿易戦争の影響で中国経済が失速しているが、日本にやって来る中国人観光客の勢いは衰えていない。訪日外国人のうち3割弱を占める彼らの人数は、今年に入ってからも前年同月比で10%以上の増加が続いている。

中国が不景気であるにもかかわらず、日本にやって来る中国人観光客が増えているのは、日本での買い物が「安い」からである。かつて日本は世界でも有数の物価が高い国だったが、景気低迷が長引き、その間に諸外国が目覚ましい経済成長を遂げたことから、日本の相対的な物価は安くなった。不景気になり、中国での高額なショッピングを手控えるようになったことで、余計に日本の買い物が魅力的になった面もある。

 

一般的に各国の購買力の差はGDP(国内総生産)と為替レートによって決まる。1985年のプラザ合意によって日本円は10年間で1ドル=240円から80円台まで3倍近くに高騰した。同じ金額で買えるモノの量が3倍になったので、当時の日本人が海外に行くと全てが安く見えた。パリやミラノが、ブランド物を大量購入する日本人観光客であふれ返っていたのもうなずける話である。

 

1ドル=約80円まで進んだピーク時と比較すると、今の日本円は25%ほど減価しているが、日本人の購買力は為替の変動以上に大きく減少している。その理由は、日本以外の各国が経済成長したことによって、日本の相対的な経済力が低下したからである。

過去20年間で日本の名目GDP(自国通貨ベース)はほぼ横ばいで推移してきたが、同じ期間でアメリカは2.3倍、ドイツは1.7倍、フランスも1.7倍、中国は10.4倍に経済規模を拡大させている。1人当たりのGDPについても、ほぼ横ばいの日本に対して、アメリカは1.9倍、ドイツは1.7倍、フランスは1.6倍、中国は9.3倍になった。

1人当たりのGDPはその国の平均賃金に近いので、各国の購買力は日本の1.6倍から2倍になったと判断してよいだろう。物価も同様でやはり1.3~1.5倍になっている(日本は横ばい)。

一般的に為替レートは物価の差で決まるとされているが(購買力平価)、必ずしも為替は物価とリアルタイムに連動するわけではない。日本円の為替レートが大きく変動していないのに、各国の経済規模や物価は1.5倍から2倍になっているわけだから、外国人の購買力は大幅に増加した。つまり、日本人が同じ金額の日本円で外国から買えるモノの量が減った半面、外国人が日本から買えるモノの量は増えたということになる。

 

中国人が日本にやって来て「何もかもが安い」と驚くのはこうした理由からである。「安い」ということは、ビジネスにおける魅力の1つであり、日本の成長鈍化はインバウンド需要という点において有利に働いている。だが日本の購買力が低下していることは、日本人自身の生活にはマイナスが多い。

 

日本はデフレと言われ、実際、国内物価はあまり上昇していないが、それは国内要因が大きい製品やサービスに限定された話。スマホや自動車、通信料金など、グローバルに価格が決定する製品やサービスは、デフレだからといって国内価格が安くなるわけではない。実際、自動車の価格は一貫して上昇が続いてきた。日本が「安い」国であることは、日本の消費者にとっては頭の痛い話でしかない。

 

引用:Newsweek日本版 2019.11.14

 
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